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泣ける話

寂しい親父を捨てた自分

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寂しい親父を捨てた自分

3年前に父親が死にました。

自営業だった工場が倒産して借金だけが残って、それを返済するために他からの借金で埋めて……という悪循環。

私もサラ金から100万くらい借りていました。
自業自得とはいえ、社長だった父が新聞の勧誘員になって、 随分辛い思いもしたと思います。

でも当時は愚痴ばかり言う父が嫌で、一人暮らしの私にちょくちょく小遣いをもらいにくる姿を見るのが辛くて『貧乏ってこんなに人を落とすんだ』と思いました。

それより何より自分の方も金銭的に追いつめられて、
ある日突然にこっそりと親戚を頼って引っ越しました。

引っ越して2年後に親戚経由で父が死んだと連絡が来ました。

棺の中の父は信じられないくらい老いて、小さくなっていました。やっぱりいい思い出ばかり思い出して、
自分のことばかり考えて父親を捨てた自分が最低に思えました。

こんな自分に泣く資格はないと思って我慢していたけど、葬式が終わって父親の携帯が不意に鳴りました。

それが無差別に送られた『メル友になろう』なんてメールだったので、途端にわけもわからず、泣けてきました。

『これを持っていたのは何もかもなくしてしまった寂しい60歳の親父だよ』

『そしてもうその人はこの世にいないんだよ』

そう言ってやりたくなった。

そしてその寂しい親父を捨てた自分にも腹が立って、
涙が止まらなかった。

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