忍者ブログ

泣ける話

あのふたり

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

あのふたり

数年前までバイトしてた。

早朝だったんで、常連にヤの字やお水の兄ちゃんや姉さんが多かった。

酒入ってる率が高く、ちょっと迷惑行為もあったが、基本的には高額購入の多いお得意さんだった。

ある日、常連兄さんが喪服で葬儀用のお供え袋を買った。

「ワイは字が下手じゃけん、店で一番上手いヤツが書いてくれんか」

店長含め、三人で薄墨筆ペン試し書き。結果自分が書いた。

兄さんは照れくさそうに礼を言い、
『自分が世話になった人の葬式だから』と目を潤ませていた。

その後、兄さんは自分のいる時間帯で少なくとも二回、 迷惑客や珍走団を静かに説き伏せて追い払ってくれた。

同じ時間帯常連の姉さんに惚れたらしく、 自分や店長がこっそり橋渡し(居合わせたら二人に世間話を振ったり)してた。

先日、辞めてから久々に店に行ったら、店長が教えてくれた。

「自分が辞めてから、あの二人が結婚したで。ありがとうって、伝言預かってる」

今も二人は常連だそうだ。

正確には兄さんが早朝、姉さんは子供と通い始めた幼稚園帰りに 自分が最後に作ったポケモンのPOPは、色あせたままその子に貰われていったそうだ。

五年振りのレジ前で泣いてしまった。

PR

ゲーム売れ筋ランキング
本の売れ筋ランキング
家電・カメラ の 人気度ランキング
新着ランキングを見る
ほしい物ランキングを見る
人気ギフトランキングを見る
PR

コメント

カテゴリー

最新記事

メールフォーム

PR