うんと小さい頃
「大きくなったら母ちゃんと結婚する」
と言った俺に
「お父さんがいるから無理」
と断って失恋させた母ちゃん。
ある日、目が覚めると俺の体が全身落書きだらけで、泣きながら
「姉ちゃんに落書きされた」
と訴えた。
すると
「足の裏はお母さんです。可愛く描けたと思っています」
と応えた母ちゃん。
うつ伏せで寝てるとカンチョーしてくる母ちゃん。
俺が車に轢かれそうになった時に悲鳴をあげながら庇ってくれた母ちゃん。
俺の代わりに轢かれた母ちゃん。
なぜか無傷の母ちゃん。
職場でいじめられて
「たっくんがいじめられてたとき助けてあげられなくてごめんね、一人じゃどうしようもないものなんだね」
と謝ってきた母ちゃん。
新しい職場では無駄にモテてた母ちゃん。
引篭った俺を外に出そうとお出かけに誘ってくる母ちゃん。
断ると悲しそうな顔をする母ちゃん。
気まぐれでOKするとちょっと驚くくらい喜ぶ母ちゃん。
「明日お弁当作るから公園で食べようね」
と笑顔の母ちゃん。
次の日
「お弁当ができたら呼ぶから準備しておいてね」
と言ったまま呼びに来なかった母ちゃん。
見に行くとキッチンで倒れてた母ちゃん。
もう会えない母ちゃん。
最後まで迷惑かけて心配かけてたけど大好きだった母ちゃん。