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泣ける話

中二の時

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中二の時

中二の時、大阪から転入してきたDくん。

妙に気が合っていろんな話をした。
でもからかわれるのがいやで話をするのは放課後。

場所は屋上にでるドアの前だった。
汚いマットに座って毎日下校時間までいろんな話をした。

夏休みも私の家の前や近くの河原でほぼ毎日話をした。
兄が『お前ら付き合ってるのか?』って誤解するくらい会ってた。

友達の話や好きな人の話、他愛のない話ばかりだったけど、とても楽しくて大切な時間だった。

3学期になってからDくんはボーッとする事が多かった。心配だったけど聞かれたくないようだったので何も聞かなかった。

2月のある日、いつものようにマットに座って話をしていたら、Dくんが突然抱きついてきた。

抱きついたまま声を殺して泣いていた。
びっくりしたけどしばらくそのままでいた。

そしてDくんはいきなり立ち上がって

「今日はもう帰るわ、バイバイ」

といって階段を下りて行ってしまった。

そしてDくんは何もいわずに次の日に転校してしまった。

夜逃げ同然でこっちにきて、ここにもいられなくいなって夜逃げした、とDくんの近所に住んでいた子が教えてくれた。

あの切ない泣き方は今でも忘れられない。

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