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泣ける話

わからず屋でゴメン

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わからず屋でゴメン

長いけど実話です。

ちょっとした事で母とケンカした。

3月に高校を卒業し、晴れて4月から専門学生となる私は一人暮らしになる不安からかここ最近ずっとピリピリしていた。

「そんなんで本当に一人暮らしなんて出来るの?」
「あんたいっつも寝てばっかで‥」

「ゴミ出す曜日は確認した?」
「朝は起きられるの?」

「火事だけには気をつけてよね?」

事あるごとに聞かされる母の言葉にうんざりして、ついに今日

「あぁー!もぉーうるさいなあ!!」
「自分で決めたことなんだから大丈夫だって!!」

「わざわざ不安を煽るような事は言わないでよ!!」「少しは私の気持ちも考えて!最初っから上手くいくわけないでしょお!?」

「自分の娘ならちょっとくらい応援してくれたっていいじゃん!!!」

と自分でもビックリするぐらい大声で母に怒鳴ってしまった。

はっとして

「やばい!怒られる」

と思ったが、母は何も言わず、悲しいような怒っているようなどこか複雑な顔をしてそのまま車に乗って行ってしまった。

いつもと違う母の様子に少し戸惑ったが、特に止めもせず、イライラしながらもテレビや携帯を見て一人で適当に時間を潰した。

夕方を過ぎても夜になっても母は帰って来なかった。

遅い。遅すぎる。

まさか事故にでもあったのか‥?
冗談じゃない。それだったら病院から電話があるはず‥

なんて考えていたら、外で母の車のエンジンの音が聞こえた。

「ただいまー」

いつも通りの母の声にほっとした反面、なんでこんな帰りが遅いのか問いただそうとした瞬間、目の前にやたらと大きな薬局の袋が置かれた。

「何これ?」

と母に聞くと、重たそうなその袋を見ながら

「あんたの薬。一人暮らしするとき薬がなかったら大変でしょう」
「とりあえず一通りあったもの買ってきたから。あんたはすぐ体調崩すからねぇ」

頭痛薬、咳止め、湿布や包帯、口内炎の薬、のど飴など袋の中にはありとあらゆる種類の薬が入っていた。

「こんなにたくさん‥」

驚いてもうそれしか言えなかった。
こんな時間まで私のために母は‥

「一人暮らしかぁー」
「見送ってやらなきゃいけないのにねぇ」

「お母さん心配でね、すごく寂しいのよ」
「風邪引いた時とか本当はお母さんがそばにいてあげたいんだけどねぇ」

もうそれ聞いて涙が溢れて溢れて、自分の不甲斐なさと母への申し訳なさで顔あげられなかった。

薬だって決して安いもんじゃないのに。

自分の娘を応援しない母親なんて居るはずないのに。

なんで気づいてあげられなかったんだろう。
もっと応援しろだなんて‥

一番私のことを思ってくれて支えてくれたのは他でもなくお母さんなんだよね。

わからず屋でゴメン。
いつもいつもいつもいつもありがとう。

その後、遅めの晩御飯を母と一緒に食べました。
残り少ない母の味をもっと大切にして行こうと思います。

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